東海大学観光学部観光学科 田中伸彦ゼミ

2012年4月 田中ゼミがスタートしました。 2013年3月にホームページをアップしました。

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「観光学」を学ぶ人のための「パーク論」(その3) 様々な公園

「観光学」を学ぶ人のための「パーク論」(その3) 様々な公園

広辞苑によると我が国の公園は、広辞苑によると大きく分けて4種類。覚えただろうか。

公開された「庭園」

公開された「遊園地」

法律で定められた「都市公園」

法律で定められた「自然公園」

である。「公開されない遊園地などあるのか?」という突っ込みが入りそうだが、ないことはない。今は荒れ果てているという噂だが、故マイケルジャクソンの言えにあった遊園地「ネバーランド」は公開されていない遊園地だったと言えよう。

ちなみに上二つと下二つで分類の視点が違う。そのため、観光学として学習する内容も異なってくる。上二つは庭園や遊園地の成り立ちや歴史などを中心に学ぶ。後者は成り立ちや歴史も学ぶが法律事項を学ばなければ話にならない。

ところで、上と下とでは分類の視点が違うのであるから、当然重なる場合がある。公開された庭園や遊園地が都市公園に指定されることは珍しくない。もちろん公開されているからと行ってその庭園や遊園地が法律上の公園とは限らない。

様々な公園の分類方法を覚えておいてほしい。

 

まずは所有の観点からの違い。「営造物公園」と「地域制公園」の違いである。自分で所有している土地を自分で公園として管理する場合は営造物公園である。また、一般的には「国有」や「公有」が営造物公園の元来の原則であるが、私有の場合にも、この言葉を適用する場合も少なくない。後でも触れるが「都市公園」「国民公園」「(地方自治体が条例で定める)農村公園等」が該当する。

他人の所有地を公園として指定し、公衆の利用に供し、各種規制をかけられるようにした公園を地域制公園という。日本の場合には自然公園が該当する。ちなみにアメリカの国立公園は地域制ではなく営造物公園。イギリスは地域制公園。国によって自然公園のカテゴリーは異なっていることに留意してほしい。

 

次の区分の視点は、国有か公有かというものである。営造物公園に適用する概念である。特に、「都市公園」で国有のものを「国営公園」という。国営公園には、都府県をまたがった広域的見地から指定する「イ号公園」と、国家的記念事業で造成する「ロ号公園」に分けることができる。

 

今回の講義で覚えてほしい最後の区分の視点は、法律による区分である。日本で公園としての根拠となる法律は、冒頭に挙げた国土交通省系の「都市公園法」と、環境省系の「自然公園法」の他にあと二つある。広辞苑は全ての法規を網羅しているわけではないのである。

残りのうちの一つ目としては、「環境省設置法」に明記されている「国民公園等」がある。これは「皇居外苑」「新宿御苑」「京都御苑」「千鳥ヶ淵戦没者墓地」の4カ所である。なお「等」は千鳥ヶ淵のことを指す。また、国民公園は「園」ではなく「苑」の文字を使う。国民公園は環境省が管轄する。国立公園のレンジャーが転勤で国民公園の管理をしたりしている。

最後の類型は「地方自治法」を根拠に地方自治体が条例を作って設置する公園である。通常は農村公園などをつくる場合が多い。「都市計画区域」の外に都市公園のようなものをつくりたいときにはこの様な措置が必要になるわけである。

また今回の講義では都市公園の分類も一通り解説したが、後の講義で再び触れるので、今回は割愛する。

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