東海大学観光学部観光学科 田中伸彦ゼミ

2012年4月 田中ゼミがスタートしました。 2013年3月にホームページをアップしました。

本拠地 

〒151-8677 東京都渋谷区富ヶ谷2-28-4 東海大学観光学部 4号館3階 

TEL.03-3467-2211(代)

湘南キャンパス 〒259-1292 神奈川県平塚市北金目4-1-1 東海大学E館1階教員室1

 

TEL.

0463-58-1211 (代)

活動

2013年4月6日 新入生研修会を開催しました

湘南キャンパスで行われた観光学部生の研修会に出席してきました。

この研修会では、220名の観光学部観光学科新入生に、これから暮らしていくキャンパスの周辺(平塚・秦野・伊勢原・大磯など)の観光やまちづくりを理解してもらおうというコンセプトで開催されている研修です。

午前中は全体説明ののち、松本学部長の講話(湘南キャンパス周辺地域の歴史と文化について)、午後は、平塚班、伊勢原班、秦野班に分かれて現地巡検を行うというスケジュールです。ただし、この日の天気は不安定で、夕方から台風並みの嵐になるという予報でした。そのため、すべての内容が短縮バージョンとなってしまいました。

私は午後の現地巡検で秦野の弘法山ハイキングコースを担当していました。本当であれば弘法山公園から鶴巻温泉まで、約2時間の行程を歩き、その過程で「公園」というデスティネーションの重要性、観光学部の学生としての自然理解のあり方、鉄道経営(この場所では小田急)とハイキングとの関連、地域のキャッシュフローを高めるための経営戦略(特に鶴巻温泉駅周辺)などを解説する予定だったのですが、大幅にカットせざるを得ませんでした。

とりあえず弘法山公園に行き、本来の趣旨を手短に解説した上で、学生に、レポート課題「丹沢・湘南観光資源の付加価値を高めるには ~研修したところを中心に~」のネタを探す様促して、そのままバスに戻ることになりました。ハイキングコースは全面カットです。2時には大学に戻ったのですが、すぐに大粒の雨が降り出しました。

大学最初の研修会。どこまでメッセージが伝えられたか心配ですが、これから大いに観光学を学び、研究してほしいと思います。2年後、私のゼミに来る学生もいるでしょう。お待ちしております。

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午前中の松本学部長の講話 (静かに聞いていました)

 

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午後の現地巡検(秦野コース:弘法山公園)

本来はここから鶴巻温泉まで4キロ強、2時間程度歩く予定でしたが天候悪化が懸念されたため、今年はこの公園行き、折り返し帰ることになりました。

 

2013年4月4日 2013年度のゼミがスタートしました。

本日、代々木キャンパスで学部ガイダンスが行われました。午前9時20分からの4年生ガイダンスでは、久しぶりにゼミ生が大勢集まりました。さすがに就活で全員は揃わないのですが、元気な顔が見られました。

午後13時25分からは3年生ガイダンス。初めてゼミ生が一同に顔を合わせました。緊張と期待が入り交じる空気は何とも言えないですね。

いつもながらのことですが、今になって、「集合写真を撮っておけばよかった」と、反省しきりです。

2013年3月25-27日 第124回日本森林学会全国大会 に参加しました。

日本森林学会全国大会に出席するため岩手県盛岡市の岩手大学まで行ってきました。本当は28日まで学会は続くのですが、27日昼に教授会が入ってしまったため、泣く泣く戻ってきた次第です。

 

「観光学なのに森林学会???」という人も多いかもしれませんが、実は森林学は明治時代から観光をテーマに扱っている観光学の老舗です。

さらに言えば、学部の講義でもお話ししていますが、「国土利用計画法」という法律があって、日本の国土はは土地利用計画上、「都市地域」「農業地域」「森林地域」「自然公園地域」「自然保全地域」の、5つの地域に区分されています。各地域には下記のとおり、基本となる法律があります。そして各地域の土地利用計画に学術的に造詣の深い重要な学会が存在しています。

1.都市地域 - 都市計画法 - 日本都市計画学会

2.農業地域 - 農振法 - 農村計画学会

3.森林地域 - 森林法 - 日本森林学会

4.自然公園地域 - 自然公園法 - 日本造園学会

5.自然保全地域 - 自然環境保全法 - 日本造園学会

観光という活動は、場所を訪れることで初めて成立します。 場所、つまり観光地のマネジメントをするのであれば、上記5つの地域に関係の深い、上記4つの学会の動向に目を光らせておく必要があると私は思っています。

私もなるべく努力しています。とりあえず4つの学会ともに会員にはなっていますが、まだまだ研鑽が必要だなあと日々反省しています。

 

観光系の学会で、学会としてしっかり土地利用の理論まで押さえているのは日本観光研究学会ぐらいでしょうか。その様な状況なので、毎年春に日本森林学会に出ることは何にも増して重要なのです。観光学の教授として...

観光系学会も、この現実から脱却しなければいけないと思う今日この頃です。

 

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宿泊したビジネスホテルにて

(盛岡のような地方中核都市で学会が開催されると、この様に街のあちこちに歓迎ムードが漂っているので何だか嬉しい。学会はMICEだなあ。地元観光関係業者もがんばっているのだなあとと感じる一コマです。)

2013年3月13日 第15回JESフォーラム に参加しました。

午後6時半から渋谷のモンベル5階で開催された標記フォーラムに出席してきました。

ちなみに、本学観光学部3年生以上が受講可能な講義、『レジャー・レクリエーション総合研究』でゲスト講師として登壇いただいている日本エコツーリズム協会の大久保史恵さんが、このフォーラムを運営しています。

今回は『エコツアーガイドの仕事とは -オーストラリア・ゴールドコーストから-』と題し、藤井慶輔さんがお話ししてくれました。藤井さんはオーストラリア在住で(20年以上?)、グレートツアーズ社に所属する「エコツーリズム・オーストラリア協会」認定のエコガイドです。さらに言えば、その上位資格の、エコガイド候補者の資質を評価する「アセサー(assessor:査定官)」の立場にもあります。

オーストラリアは知る人ぞ知るエコツアーガイドシステムの先進国です。日本のように、素人が勝手にエコツアーを行うことは不可能です。認定ガイドを伴った持続可能なツアーだけが政府に許可されるのです。そのようなガイド認定制度の話をはじめ、オーストラリアの自然の話、ガイドが持つべき資質やスキルの話、ビジネスとしてのエコツアーの話など様々な話題をとても上手に語ってくれました。

日本のエコツーにも、Certifiedのシステムが近い将来必要ではないかと思っています。

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藤井慶輔さん。右胸に認定ガイド(青)とアセサー(赤)のワッペンを、レンジャー風の制服につけています。

マジックテープで着脱できるのを初めて知りました。

2013年3月11日 『エコツーリズム推進アドバイザー派遣報告会』に出席しました

環境省自然ふれあい推進室主催の報告会に出席してきました。

岩手県久慈市と東京都桧原村からの現地報告と、3名のアドバイザーの方からの派遣報告がありました。

岩手県の旧山形村(現久慈市)にある「バッタリー村」は、昭和60年、私が18歳、大学1年の夏に小屋づくりや炭焼きなどに参加して、開村をお手伝いさせていただいた村です。いわば今の自分の研究の原点ともいえる場所です。30年近くたった今でもバッタリー村は健在で、というかますます元気になっているようです。非常に幸せな気分になりました。

岩手県久慈市(旧山形村)バッタリー村のHP:http://www.e-tn.jp/battari/index.html

参照URL(東海大学新聞インタビュー:バッタリー村について触れています):http://mainichi.jp/sp/tokaism/laboratory/04.html

【記事抜粋】・・・(略)・・・そんな田中教授が森林学の世界へと進むことになったのは、大学時代に受講した「環境ゼミ」がきっかけでした。「ゼミの一環で、『雑木林の経済学』という本を書いた室田武先生(経済学者・現同志社大学教授)と岩手県山形村(現久慈市)で合宿したことで、森林学の道に進むことを決めました。山小屋作りや炭焼きなどを通して、森林とかかわること、森林の中で生きることの魅力を実感したことが大きかったです」。・・・(略)・・・

2012年3月9日 『湘南平塚・ゆるぎ地区』の活性化に向けた第17回ワークショップに参加しました

東海大学湘南キャンパスのそば、平塚市吉沢集落のすぐそばで開催されている、まちづくり・里山づくりのワークショップに参加しました。

学部2年で、4月に田中ゼミに進学予定の深澤克哉さんが参加してくれました。

今回のワークショップは、「1.落ち葉堆肥づくり」「2.散策路の休憩スポット整備」「3.カブトムシの幼虫さがし」の3つの班に分かれて活動しました。カブトムシの幼虫さがしの班は非常に多くの親子連れが参加していていつもとまたちょっと違う賑やかな雰囲気でした。

私たちが参加したのは「落ち葉堆肥づくり」。クリ・コナラ林の林床の落ち葉を熊手でかき集め、畑のわきに積みました。思った以上に体力が必要で、いい運動になりました。活動の後は、地元の食材を使った手作りの季節の料理を囲んだ懇親会。すべておいしかったですが、ゆるぎでとったそばで作ったガレットは初めてで、平塚農業高校が考案した人参ジャムと非常にマッチしていました。

懇親会の中で行われた報告会では、深澤さんが「落ち葉堆肥づくり」班の総括発表をしました。

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活動のガイダンスは東京農大の学生が行っています。

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落ち葉書きの一コマ。結構疲れます。

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集めた落ち葉を畑の脇の堆肥場に運び、米ぬかを混ぜて踏みます。

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懇親会では、田中ゼミ進学予定(2年)の深澤勝哉さんが「落ち葉堆肥班」を代表して総括しました。

2012年2月27日~3月4日 『小笠原』の父島のエコツーリズムを巡検しました

東京都小笠原村に本拠地を置く唯一の旅行業者「小笠原ツーリスト」の橋本さんのお世話になり、父島のエコツーリズムを巡検してきました。

私は、5年ほど前に林野庁の研究・保全課に2年間勤務していたことがあるのですが、その際に、ちょうど小笠原が世界自然遺産登録に向けての検討を進めているところでした。私も多少なりともその業務にかかわったのですが、残念ながらその時には小笠原行きは果たせずじまいでした。そのため今回は念願叶っての小笠原巡検でした。

小笠原ツーリストのスタッフや地元の民宿ガイドの方にツアーの現状を聞いたり、ビジターセンターやホエールウォッチング協会などから自然の保全に関する情報を集めたりしてきました。実際にエコツアーにもいくつか参加しました。あっという間の一週間でした。

ネイチャーベースドツーリズムの学生研修には非常に良いサイトだと実感しました。企画してみようか...でもその前に、母島にも巡検に行かなければ。

小笠原ツーリストの皆様、お世話になりました。ありがとうございます。

 

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お世話になった小笠原ツーリストのスタッフの方々。小笠原ツーリストは、都会主導ではなく、小笠原村に本拠地を置く唯一の旅行業者です。このような企業のあり方が、これからの日本の地元発信型のエコツーリズムを支えていくのではないかと思っています。

小笠原ツーリストのHP: http://www.ogasawara-tourist.com/

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エコツアーの一コマ(左)。生態系保護地域の中には、認定されたガイドの方が同伴していなければ、一般旅行者は入れません。

森林生態系保護地域に入る前に、外来の小動物や種を域内に持ち込まないように靴底や衣類をきれいにします(右)。

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小笠原では海のエコツーリズムも盛んですし(左:ザトウクジラ)、戦跡ツアーも行われています(右)。

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帰りの船のお見送りは圧巻です。太鼓(左)や船(右)で盛大に送ってくれます。「また戻ってこなければ」という気にさせてくれます。